北朝鮮の水爆実験に抗議する

2016年1月8日
千葉県保険医協会会長
 岡野 久

 北朝鮮は6日、「特別重大報道」として同国東北部で水爆実験を行い成功したと発表した。同国の核実験は4回目となる。我々は、広島・長崎への原爆投下により多くの命が奪われ、現在でも後遺症に苦しむ被爆者が存在する日本の国民として、また、人命を守る医師・歯科医師の団体として、今回の実験に対し厳しく抗議するものである。  同国に対しては、国連が2013年1月の安全保障理事会決議第2087号で「すべての核兵器及び既存の核計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄すること、関連するすべての活動を直ちに停止すること及び弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射、核実験又はいかなる挑発もこれ以上実施しないこと」を求め、2005年9月の日米中韓露と北朝鮮の6カ国により取り結ばれた6カ国協議共同声明で同国は、「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること」を約束していた。 また、2002年9月の「日朝平壌宣言」でも日朝双方を「朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守すること」を確認しており、今回の事態はこうした国際的な合意を踏みにじる暴挙と言わざるを得ない。 昨年の国連総会では、核兵器禁止条約を課題にした作業部会の設置を圧倒的多数の賛成で決議している。核兵器廃絶の願いは、国際社会の共通の認識になりつつあり、今回の事態はその願いの実現に向けた国際社会の努力に逆行するものである。 全国保険医団体連合会の「開業医宣言」は、「平和を脅かす動きに反対し、核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任であることを確認する」と高らかに宣言している。この精神からも改めて今回の事態に激しい憤りを感じるとともに、日本政府に対しては、唯一の被爆国として核兵器廃絶と核実験の全面禁止のために一層の外交的努力を求めるものである。