歯科の院内感染対策に関わる対策を国に求めます(会長談話)

2017年10月19日
千葉県保険医協会会長
 岡野 久

 2017年の厚生労働省研究班の調査で全国の歯科医療機関の半数近くが、歯牙切削器具を患者ごとに交換せずに使い回しをしている可能性があることが7月2日付けの読売新聞で報道されました。報道によれば5年前の調査では7割だった使い回しが改善したものの、院内感染のリスクが浮き彫りになったとしています。今回の報道に関しても保団連では日本歯科医学会のガイドラインに従い、適切な滅菌消毒をしていくことを求めています。
 この間、保団連としては歯科の院内感染対策を推進するための啓発冊子の発行や協会でも研修会に取り組んできました。
 感染予防対策に係る費用は、日本歯科医療管理学会では「患者1人あたりの院内感染対策費用は総計1,127円に対し、再診料45点と外来環加算4点の490円という隔たりは大きいと言わざるを得ない」と報告しています。さらに厚労省が感染対策を評価したとする「歯科外来診療環境体制加算」(届け出医療機関は全国で25.6%:2017年6月1日時点)は、感染対策を評価したものではなく、偶発症に対する緊急時や医療事故時の対応も課しているものであると同時に、感染予防対策のコストに見合うだけの保障はされていなく、感染予防対策には役に立っていないと言えます。このような状況において歯科診療所の自助努力に頼らざるを得ないのが実態です。
 今回の報道での指摘を真摯に受け止め、歯科医療担当者として院内感染防止対策をより一層確実なものにし、安心安全の医療を提供するために努力することが求められています。同時に感染予防対策を改善するためには、国の責任で感染対策に必要な原価計算を行い、診療報酬上で感染予防対策を評価した点数を新設し補償すること、さらに各種感染対策に必要な器材の購入などへの助成も併せて強く求めます。