予防接種法施行令の一部を改正する政令(案)等について

2019年1月22日
千葉県保険医協会
会 長 岡野 久

 当会は、ワクチンで防げる病気(VPD: Vaccine Preventable Diseases)で日本国民が生命や健康を脅かされている現状を鑑み、2020 年度末までにMRワクチンの接種率をあげ、確実に風しんの排除と先天性風しん症候群の防止を実現するために、啓発活動や関係機関に要請等を行っています。国立感染症研究所発表では2019 年1 月13 日までの風しん患者累積報告数は3,056 人となり、今も全国へ流行が広がっています。今般、風しん流行への新たな対策として予防接種法施行令の一部を改正する政省令(案)が出され、そこで下記の7 点の意見を提案します。
                                   
①風しんの第5 期予防接種の対象を昭和37 年4 月2 日から昭和54 年4 月1 日の間に生まれた男性としているが、この対象以外にも1 回接種のみの男性及び接種漏れの女性に対しての接種とするなど、抗体価が低い対象が存在し感染源となっている。免疫を獲得することがより確実(約99%)とするために、接種対象は男女問わず幅広く設定すること。

②施行期日は公布の日となっているが、実施にあたっては自治体への情報提供は迅速におこなうこと。また、2019 年度の無料接種化とした場合、2019年1 月~ 3 月まで間に接種控えが起きないよう、積極的勧奨を行うと共に、この間抗体検査や予防接種をされた方への償還申請等の対策を講じること。

③「風しんに関する特定感染症予防指針」平成26 年3 月28 日(平成29 年12 月21 日一部改正・平成30 年1 月1 日適用)に基づき、ワクチンの増産や接種計画を立て、ワクチンが充足した際には抗体価を前提としないワクチン接種体制を構築すること。

④厚生労働省が平成26 年2 月発出の「予防接種が推奨される風しん抗体価」によると、HI 法8 倍・16 法倍の対象者について「過去の感染や予防接種により風しんの免疫はあるが、風しんの感染予防には不十分である。そのため、感染によりお腹の赤ちゃんなどへ影響が生じる可能性がある」とし、予防接種を推奨している。また、HI 法32 倍以上の場合「風しんの感染予防に十分な免疫を保有していると考えられ、風しん含有ワクチンの接種は、基本的に必要ない」となっている。風しん排除を速やかに行うためにも、男女ともに最低でも抗体価はHI 法で16 倍以上保有すること。

⑤職域では年一回の定期健診に抗体価検査項目を設定し、低抗体価の人を確 実にワクチン接種につなげられるよう、職域での産業医と開業医、関係機関のネットワークを構築すること。また、特定健診でスクリーニングを行う場合は、自治体担当者、対象住民への周知が進むよう保健センターや地域包括支援センター等を活用し、地域に密着した啓発を行うこと。尚、それぞれに係る関係職種に対し、風しん排除に向けた抗体価検査とワクチン接種の必要性を伝えるリーフレットを作成し連携を強めること。

⑥施行後、風しん抗体価前提によるワクチンの接種が進まない場合は、速やかに制度の見直しを行い、確実にワクチン接種につなげるようにすること。

⑦この間、風しんのみならず麻しんの流行も各地で発生している。政令(案)のワクチンでは単身ワクチン又は麻しん風しん混合ワクチンの選択となっている。そこで、麻しん風しん共に予防することができる「麻しん風しん混合ワクチン」の方を増産し、接種を推進すること。 

以上

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