核兵器禁止条約の批准50か国到達を歓迎する

2020年10月27日
千葉県保険医協会
会長 岡野 久


 10月24日(日本時間の25日)、17年7月に国連で採択された核兵器禁止条約をホンジュラスが批准し、批准国が50か国に到達、90日後にはこの条約が国際条約として発効することが決まった。千葉県保険医協会は、この条約の発効を心から歓迎し、長年にわたり条約の採択と発効のために奮闘されてきた被爆者、そして核兵器廃絶と平和のために取り組まれてきた世界中の人々に改めて敬意を表するものである。
 75年前の1945年8月、広島・長崎に投下された原爆は、21万人を超える人々の命を奪い、生き残った人々も現在に至るまで身体的、精神的、社会的な苦痛を強いられてきた。この条約は、人類史に比類ないこうした状況をもたらした核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用、そして威嚇をも禁止する内容を持ったものである。さらに、「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)(中略)にもたらされた容認しがたい苦難」と被爆者に寄り添いつつ、「核兵器のいかなる使用も人道の諸原則および市民的良心の命ずるところに反する」と核兵器の非人道性を主張している。「核のない世界」を展望し、人類の未来に新たな光をもたらす条約と言って過言ではない。
 一方、日本は、「現実の安全保障を踏まえたものではない」「核兵器廃絶へのアプローチが違う」として、この条約には参加しないままである。唯一の戦争被爆国である日本は、こうした国際社会の大きな流れに背を向けることなく、核兵器廃絶の世界のリーダーとして、その役割を発揮すべきと考える。
 条約の発効は、核兵器を非人道兵器とする国際的取り決めの誕生となり、核保有国にも非核保有国にも大きなインパクトを与えるものである。今後、締約国会議が行われ、具体的な核兵器廃絶の道筋がつけられていくことを大いに期待したい。