マイナンバーカードの保険証利用には強く反対し、無期延期を求める

2021年3月31日
千葉県保険医協会
会 長 岡野 久


 厚生労働省は3月下旬より本格運用を開始するとしていたマイナバーカードの保険証利用について、社会保障審議会医療保険部会(3月26日開催)で本年10月まで運用を延期することを報告し、了承された。 
 この間、システムの本格稼働に向けて、3月4日より一部医療機関で試験運用が始まっていたが、資格情報の確認ができない等のトラブルが続出。同省によると、「加入者データの不備による資格確認エラー」「院内システムへの読み取りエラー」などを要因として挙げている。また、加入者データについては昨年10月以降、保険者においてオンライン資格確認システムへの登録が進められているが、「情報が登録されていない」と表示されるケースが相次いでいる。他人の医療情報が医療機関の端末に示される恐れがあり、正確な管理ができていない。極めてお粗末な事態と言わざるを得ない。
 3月23日時点で試験運用を行っている機関は全国24都道府県54施設。そもそも500機関で開始する予定であった試験運用自体が大幅に遅れており、カードリーダーの申請件数は病院で60.4%、医科歯科診療所で36%程度。マイナンバーカードの健康保険証としての利用申請件数も現時点で311万件、総人口の2.5%にも満たない。これら運用システムやデーター不備、導入医療機関数、健康保険証利用申請件数などいずれを見ても、運用開始できる実質的な体制が整っていないことは明らかである。
 政府は、運用日程ありきでオンライン資格確認システム導入の補助金事業等で医療機関に導入を急がせているが、このまま強引に運用拡大を進めても、現場の混乱は目に見えている。マイナンバーカードを健康保険証として利用させることは、医療現場に無用な混乱を招き、国民が安心して保険診療を受けることの障壁になると言わざるを得ない。
 本会は、医療情報とマイナンバーの紐づけがなし崩し的に拡大される事態に繋がるマイナンバーカードの保険証利用には強く反対し、無期延期を求める。そして、関係機関は従前通り、健康保険証で医療が受けられることを広く国民に周知するよう関係機関へ求めていく。