75歳以上窓口負担2割化衆議院強行採決に抗議する
~新型コロナウイルス感染拡大の下、負担増をなぜ続けるのか~

2021年5月13日
千葉県保険医協会
会 長 岡野 久


 
5月11日、「75歳以上の医療費窓口負担2割化」などを内容とする健康保険法等の一部改正案が自民、公明、維新、国民民主の各党の賛成多数で採決・可決された。首都圏を中心に3度目の緊急事態宣言が出され未だに収束の兆しが見えない最中、コロナ対策を優先課題とし、それらの審議に注力する時期にもかかわらず、国民に更なる痛みを強いる「窓口負担2割化」法案をわずかな審議時間で採決を強行したことに対し、当会として政府に厳しく抗議する。
今後、審議の舞台は参議院に移ることになるが、今国会で徹底審議の上、廃案を求める。

 政府は衆議院審議において、政令で2割負担の対象とする単身世帯「年収200万円以上」(課税所得28万円以上)、夫婦世帯「年収320万円」(所得が多い方が同28万円以上)について「負担能力がある」と繰り返し答弁していたが、負担増による受診控えを見込んで給付費を年1,050億円も削減できると推計している。菅義偉首相は、受診控えの影響額も踏まえず「直ちに健康に影響しない」と無責任な答弁に終始したが、過去の負担増が平均寿命の押し下げにつながったという学識者の指摘もあり、抑制効果が大きく出ることも明らかになっている。
また田村憲久厚労相が「誰かが負担しなければならない」と居直る一方、参考人として意見陳述(4月20日)した日本福祉大学の二木立・名誉教授は「医療に受益者負担を適用すべきではない」として、税・保険料で「応能負担」を求めるべきだと強調した。負担増は大企業・富裕層にこそ求めるべきである。

 この間、私たちも取り組んだ「2割化反対」を求める国会請願署名は100万筆を超えた。コロナ感染症が依然猛威を奮い、日々の暮らしや健康への不安が高まっている中、さらに負担を押し付けることへの反対の声が高まっている。
いま政府、国会が全力を上げねばならないのは、国民の生活、生業の保障であり、病床や検査体制の確保、速やかなワクチン接種など医療提供体制を立て直すことであって、断じて「2割化」導入ではない。
私たちは、あらためて「2割化」に反対し、地域の患者・住民とともに成立阻止に向けた取り組みを進めていくことを表明する。