千葉県保険医新聞2018年7月25日号(第671号)

開業医と医療事故調査制度
医療事故調ガイドラインを再確認


医療事故調査制度の現状と課題~我々開業医は制度にどう向き合うべきか~をテーマに行われたセミナー=6月29日・協会会議室
/現場の医療を守る会代表世話人の坂根みち子氏が講師を務めた。

 6月29日、病院有床診療所対策部はセミナーを開き、13人が参加した。「医療事故調査制度の現状と課題~我々開業医は制度にどう向き合うべきか~」をテーマに、坂根みち子氏(現場の医療を守る会代表世話人・坂根Mクリニック院長:つくば市開業)が講演した。
 坂根氏は、日本医療法人協会(医法協)の「現場からの医療事故調ガイドライン検討委員会委員長」であり、同協会「医療事故調運用ガイドライン作成委員会副委員長」を併せて務めている。2017年10月から運用されている医療事故調査制度には、同法人が作成した医療事故調ガイドラインの基本理念や考え方、具体的運用が色濃く反映されており、坂根氏は同制度の法制化までの紆余曲折と制度の意義と現状を解説した。

ポイントは非懲罰性・秘匿性

 坂根氏ははじめに世界保健機関(WHO)の医療安全のための事故調査にかかるドラフトガイドラインを示し、そのポイントとして特に非懲罰性と秘匿性を強調。医療事故調査における医療安全と紛争解決は両立しないことを指摘し、医法協のガイドラインは「医療安全に資することを目的に作成した」ことを紹介した。
 制度の現状については日本医療機能評価機構の医療事故情報収集事業と医療事故調査制度が並行して運用されている矛盾などを示しながら、「制度の理念を誤解し、紛争解決の考え方に基づき発言する人が多い」と指摘。自院での取り組み事例等を紹介しながら、制度を正しく理解し、医療安全を高めるために具体的な行動を開始することが必要と呼びかけた。
 また、医療機関がおかれている過密な労働環境等についても触れ、国民への啓発の必要性等にも言及するなど、示唆に富むセミナーとなった。