千葉県保険医新聞2019年6月25日号(第691号)

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会主催 歯科総決起集会開く

歯科医療費の総枠拡大を  全国から350人が参加
 
6月6日、「保険で良い歯科医療を」全国連絡会(保団連他2団体、10地方連絡会が加盟)は参議院議員会館・講堂で「『保険でより良い歯科医療を求める』6・6歯科総決起集会」を開いた。当日は患者・国民、歯科医師、医師、歯科技工士、歯科衛生士、国会議員など350人が参加した。協会からは宇佐美宏・野崎泰夫両副会長、桐谷三千雄・中村誠二両理事と事務局が参加した。

■歯科医療の危機
冒頭、「保険で良い歯科医療を」全国連絡会会長の雨松真希人氏(歯科技工士)が基調報告を行った。同氏は歯科の重要性が社会的に注目されてきているにもかかわらず、歯科医療の現場は「未曾有の危機」を迎えている、と訴えた。その原因は「歯科医療にかかれない患者・国民が存在すること」と「歯科医療機関の経営状況の悪化、歯科技工士・歯科衛生士といった歯科医療従事者の雇用の困難さ」の2つが挙げられると指摘した。
■総枠拡大と患者負担軽減
 この状況を打開するために、歯科医療費の総枠拡大とあわせて、患者負担の軽減を求めることによって、経済的理由で歯科治療を受けられない人をなくしていくことが必要であることを強調し、「歯科医療の正当な評価を求める全国的規模の大運動の第一歩と位置付け、歯科医療費の総枠拡大へ向けて、奮闘していこうではありませんか」と呼びかけた。
■300億で10点アップ
 集会では、歯科医療をめぐって、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、患者のそれぞれの立場からの発言があった。
 静岡協会の山田美香氏は、歯科医師の立場から、不要不急の予算執行を見直し、300億の財源で10点の点数引き上げが可能と発言。患者からは、歯医者に対して「痛い・長い・高い」のイメージがあり、歯科医院にかかる時間がなく、お金もないため、受診できない、との発言があった。加えて、国保料が高く、保険未加入で痛くても治療が受けられないケースもあることが報告された。
 参加した国会議員は、歯科医療をめぐる現状に理解を示し「歯科医療の保険適用の拡大を」、「歯科診療報酬の初・再診料を医科と同点数に」などの発言があった。最後に別掲のアピールを全会一致で採択した。

 

全国から350人が参加した総決起集会=6月6日・参議院議員会館(左)/発言する宇佐美協会副会長(下)

集会アピール
お口の健康を保つことは全身の健康に関係 歯科医療充実のためにも必要な予算の確保し、歯科診療報酬の大幅引き上げ、保険のきく範囲の拡大、患者窓口負担の軽減を求めます!
 いま、歯科医療の重要性が注目を浴びています。「健康寿命の延伸」「オーラル・フレイルの予防」。ところが、長年にわたり歯科医療費は、低く抑えられたままです。
 また、「お金がなくて歯医者にいけない」という世帯は、全国で約160万世帯あると推計されます。
 国が定める保険診療の報酬が低く設定されているため、歯科医療機関の経営は逼迫しています。
 入れ歯やかぶせ物を製作する歯科技工士は、低すぎる保険点数のために、技術と労働に見合った委託技工料を得ることができず、離職、志望者の減少、養成学校の廃校などが起きています。
 今、口腔ケアの担い手である歯科衛生士の役割は高まっています。子育てをしながら安心して働ける、子育てに一段落した後に再び働ける、その環境づくりが急務です。
 経済的理由で歯科受診ができない患者さんをなくす。歯科医療機関が安定した経営を確立して、歯科技工士・歯科衛生士の労働環境を改善する。
 そのためにも私たちは、歯科にとって必要な予算を確保し、歯科診療報酬の大幅引き上げ、保険のきく範囲の拡大、患者窓口負担の軽減を求めます!
 最後にここに参集したみなさんに呼びかけます。私たちの要求実現のためにも「保険でより良い歯科医療の実現を求める請願署名」を職場で、地域で訴え、過去最高の峰をつくろうではありませんか。
2019年6月6日
「保険でより良い歯科医療を求める」6・6歯科総決起集会