千葉県保険医新聞2019年9月25日号(第696号)

台風15号 県内、甚大な被害

長引く停電、診療が不能 
協会、被災状況を調査


 9月9日未明、千葉市に上陸した台風15号は、千葉県内を暴風雨に巻き込み、甚大な被害をもたらした。同日午前4時過ぎには千葉市で、観測史上最高の最大瞬間風速57・5mを記録するなど猛威をふるい、停電、断水などによる休診など県内各地の医療機関にも深刻な影響を及ぼしている。協会では、13日からFAXなどでアンケートを実施、被害状況を把握している。状況が明らかになり次第、支援策を講じていく予定だ。

 床上、床下浸水、診療所の一部損壊など、今回の台風による被害は県内ほぼ全域にわたっている。県内54市町村の内、41市町村に「災害救助法」が適用されたことからも明らかだ。特に、暴風による鉄塔、電柱の倒壊によって起きた停電、断水は長引き、診療再開の大きな妨げになった。

■看板の破損が多数
 協会に寄せられた被害状況のアンケートでは、診療所の建物被害としては、看板の全損や破損、天井からの水漏れ、塀の崩落、ガラスの破損、レジが水浸し、などがあった。この他、倒木、診療所に付属していた物置が隣の畑に吹き飛ばされた、駐輪場の屋根が吹き飛ばされた、との回答や、汚水によるにおいの指摘もあった。
 ある病院は、11日まで外来を全休、200名の入院患者を一時転院・退院させている。この他、自宅の被害では、全壊が一軒、瓦が飛ばされたとの報告は複数あり、エアコン室外機がベランダから落下したとの被害もあった。

■熱中症患者に対応
 被災しなかった医療機関からは、「グループホームが停電のために公民館に一時避難、そこに訪問診療した」「自家発電がなく吸引等ができなくなった在宅の方を受け入れた」「関連施設の老健が停電のため、当院関連施設に避難」「熱中症患者が多く、点滴用ベッドが足りなくなっている」「透析のみ続けている」等の報告があった。

■ワクチンは全廃棄
 停電のため、冷蔵保存医薬品の損害の報告も寄せられ、「保管していたワクチンがすべて使えなくなる」「ワクチン供給
が不安定な中、さらなる供給不足や偏在が心配」といった声があった。

■歯科技工所も被災
歯科の医療機関からは、「技工所も被災しており、技工物ができていない」「宅配業者が業務できず、技工物を技工所にスムーズに送ることができない」との声が寄せられた。
 この他、レセプトの送信が不能、完全なチェックを行わずにやむを得ずレセプトを提出したというところもあった。この
件に関しては、支払い側に個別対応を要請した。

■概算請求が可に
厚労省は11日付で事務連絡を発出。その内容は、診療録やレセコンを滅失や棄損等した場合、8月分のレセプトを5月から7月分の平均額によって算出した「概算請求」で可とするもの。ただし、「やむを得ない事情がある場合を除き、9月17日までにその旨を届け出る必要」があった。

■全力で支援
 被災しなかった医療機関からは、「協力できる事がございましたらお知らせください」といった言葉も寄せられている。
 協会では、被災した会員医療機関に心からお見舞いを申し上げるとともに、早急に被害状況を把握しまとめ、支援策を講じる予定。また、必要な支援内容を協会までお寄せいただきたい。


根元から折れた樹木=9月9日・千葉市中央区、千葉市中央公園



表示が消えたJR 千葉駅の列車掲示板=9月9日