千葉県保険医新聞2019年10月25日号(第698号)

台風15号、被災医療機関をお見舞い 317軒を訪問


 9月9日に千葉市に上陸した台風15号で被災した医療機関に対し、協会では第一陣として約300軒を訪問、お見舞金を手渡した。この訪問活動には、関東各県の保険医協会事務局と全国保険医団体連合会の事務局の支援を受け進めた。12日には台風19号が上陸。東海から東北地方までの広い範囲に大きな被害をもたらし、千葉県に追い討ちをかける格好になった。なお、台風15号に係る被災は激甚災害に指定された。

被害の大きかった南房総市の会員を訪問して話を聞くと、その被害の深刻さが改めて浮き彫りになった。

■停電・断水で5日間完全休診
 診療所の建物は無事だったが看板が折れた。停電により、完全診療再開は12日からだった。一番被害が大きいのがワクチンを破棄しなくてはならなくなってしまったことだ」「診療所は天井から水漏れ。床が水浸しになり、天井もしみになっている。停電・断水もあり、13日まで完全休診。自宅は屋根が飛んでしまい、塀も崩れた」、「診療所の屋根が大きく損壊(全面ブルーシート)。停電は13日まで、断水は15日まで続いた。泊り込みで急患等に対応した」、「診療所は停電のみ。ワクチン・血液検査の試薬を廃棄せざるを得なくなった。時間短縮して、会計なしで、再診の処方のみの診療を続けた。自宅は門と屋根が破損した」等々、訪問した先々で被災の状況が明らかになった。

■電源車を手配入院患者を転院
 病院では、入院患者の転院などの大変さがあった。館山市内の病院では、「病棟のガラスがわれ、屋上・屋外のフェンスもなぎ倒された。停電が復旧したのは14日午前中。非常電源で対応したものの、全然賄えず、電気が切れてポンプが動かなくなって水が使えなかった。熱中症の患者が出てきだしたため、市に要請して10日の夜に電源車を回してもらった。しかし、半分しかエアコンが使えず非常に困った。外来と通所リハは5日間完全にストップした」。千葉市内の病院でも、「窓ガラスやサッシの破損、看板が飛んだ。室外機がやられ、エアコンもいくつかダメになっている。入院患者は160名ほど近隣の病院に転院させ、電気復旧後(3日後)に戻ってきてもらった。数名は転院できず、職員がうちわで扇ぎながら3日間しのいだ。外来予約している患者が大人数来院し、受付にランタンを並べて対応した。必要な患者に処方のみ行った」という状況のところもあった。

■関東各県から支援
 今回の訪問にあたり、東京保険医協会、東京歯科保険医協会、埼玉県保険医協会、神奈川県保険医協会、栃木県保険医協会、山梨県保険医協会、そして全国保険医団体連合会(保団連)の各事務局の支援を受けた。その一人である神奈川県保険医協会事務局の勝亦琢磨さんは、「会員の先生の所に直接訪問しヒアリングすることで、今回の被災状況をつかむことができました。こういう時こそ保険医協会が会員の先生に寄り沿うことができればと思います」と話していた。
 協会では引き続き第2陣のお見舞い訪問を予定している。協会に被災状況を連絡されていない会員の先生方は至急協会まで連絡をいただきたい。


さんむ歯科診療所の土屋晴仁先生から被害状況を聞く住江保団連会長(9月18日)