千葉県保険医新聞2020年3月10日号(第706号)

2020年診療報酬改定 中医協が答申

中医協は2月7日、2020年診療報酬改定について加藤勝信厚労大臣へ答申した。医科外来ではかかりつけ医機能の強化・推進やオンライン診療の緩和、歯科では長期維持管理に重きを置く方向が示された。

医科 かかりつけ医機能の強化へ
 中央社会保険医療協議会・総会は2月7日に2020年度改定に関する答申を行い、次期診療報酬改定の概要が明らかになった。以下に診療所の外来に係る変更、新設の一部を紹介する。

機能強化加算、掲示や書面交付要件が追加

 かかりつけ医機能の普及を図る観点から、改定が行われる。必要に応じて、①専門医、専門医療機関に紹介すること、②医療機能情報提供制度を利用して、かかりつけ医機能を有する医療機関が検索できることが院内掲示事項に追加された。また、これらの掲示内容を患者が持ち帰れる形で、院内の見易い場所に置いておくことや患者の求めに応じて交付する要件が追加された。

診療情報提供料
 かかりつけ医機能及び医療機関間の連携を推進するため「診療情報提供料Ⅲ」が新設された。かかりつけ医機能を有する医療機関等から紹介された患者に対して継続的な診療を行い、紹介元の医療機関等からの求めに応じて、診療情報の提供を行った場合に3月に1回算定できる。妊婦患者の場合は、頻回の情報提供の必要性を認め、紹介元の医療機関に情報提供を行った場合は、月1回算定できる。

小児(外来診療料、かかりつけ診療料、抗菌薬適正使用支援加算)
 小児では「小児科外来診療料」、「小児かかりつけ診療料」の算定対象となる患者の年齢が3歳未満から6歳未満に拡大された。また、「小児科外来診療料」は施設基準の届出が必要となった。なお、両診療料の「小児抗菌薬適正使用支援加算」については月1回限りの算定となる。

疾患別リハビリテーション料、リハ実施計画書作成が緩和
 疾患別リハビリテーションを行う際に「リハビリテーション実施計画書」は算定開始後、原則として7日以内、遅くとも14日以内に作成するへ変更された。また、計画書の作成前に行われる疾患別リハビリテーションについては医師の具体的な指示の下で行われる場合に限り算定できるとされた。

オンライン診療の事前対面診療期間短縮
 「オンライン診療料」は緊急時に受診可能な医療機関を予め患者に説明した上で、診療計画に記載しておくこととされた。また、事前の対面診療の期間が6月から3月に見直される。また、対象疾患に一定の要件を満たす慢性頭痛患者が追加された。
 「オンライン医学管理料」については医学管理等の個別点数における情報通信機器を用いて行った場合の評価に見直された。

妊婦加算は廃止
 昨年より凍結中の妊婦加算、産科・産婦人科特例加算は点数表から削除され廃止となった。


歯科 長期的な継続管理への誘導
 歯科の改定率は+0・56%で、これまでの改定の配分(医科1に対し、歯科1・1、薬剤0・3)を踏襲している。改定内容には、初・再診料の引き上げ、「歯周病重症化予防治療」の新設、歯科疾患管理料の再編、口腔機能管理加算の独立点数化などが盛り込まれた。

■初・再診料の引き上げと歯管再編
 初・再診料はそれぞれ+10点、+2点の引き上げになった。基本診療料が引き上げられたことは評価すべきものだが、歯科医業改善のためにはより大幅な引き上げが望まれるものである。歯科疾患管理料(歯管)は再編された。初診月は所定点数の100分の80に減算になることが盛り込まれるとともに、6か月を超えて継続して治療を続けている場合は、7か月目から「長期管理加算」100点(か強診120点)が設けられた。加えて、初診月から2か月以内に1回目の算定を行わなければならない規定が削除され、かつ算定要件にあった「継続的な歯科疾患」の「継続的な」の文言も削除された。したがって、治療の状況に合わせ、治療開始3か月目以降から歯管の算定も可能になり、継続的な歯科疾患管理でなくても算定対象になり、文字通りの「歯科疾患管理」を評価するものになったと考えられる。

■「口腔機能管理」を独立して評価
 歯管の加算であった「小児口腔機能管理加算」「口腔機能管理加算」がそれぞれ「小児口腔機能管理料」「口腔機能管理料」として独立した点数となった。診療報酬改定の論議が進められる中央社会保険医療協議会(中医協)では、歯科医療を「治療中心型」から「治療・管理・連携型」へというイメージで捉えている。今回のこの点数の再編は、そうした考えの反映とも思われる。

■「歯周病重症化予防治療」を新設
 歯周治療には「歯周病重症化予防治療」が新設された。2回目以降の検査終了後、「一時的に病状の改善傾向にある患者」の場合、スケーリングや機械的歯面清掃等の継続的な治療を開始した場合に月1回の算定が可能になるというもの。これまでの歯周病安定期治療(SPT)に加え、一定の改善傾向状態での継続した治療を評価する点数が導入された。この他、手術の際麻酔時の薬剤料算定が可能になり、CAD/CAM冠の適応が上顎の第一大臼歯にも拡大したこと、機械的歯面清掃の月1回の算定可能患者に「糖尿病患者」が追加(医科医療機関から文書による診療情報の提供を受けた患者に限定)、歯初診の施設基準の研修がスタッフにも義務付けられたこと(研修の開き方等は不明)、などが主な改定点である。処置や歯冠修復・欠損補綴では2点~20点、個別に引き上げられた点数もある。

歯科点数の主な改定項目
・初、再診料の引き上げ:+10点、+2点
・歯科疾患管理料の再編:長期管理加算の新設、初診月の減算、初診から2か月以内の1回目の算定要件の削除
・口腔機能管理加算が独立した点数に
・「歯周病重症化予防治療」の新設
・CAD/CAM冠の適応拡大
・手術の際の麻酔薬材料が算定可能に
・感染対策の研修がスタッフにも必修化