千葉県保険医新聞2020年6月10日号(第712号)

新型コロナ 緊急会員アンケート
患者9割減が切実
 
 
 協会は5月28日、4月と5月の2回行った「新型コロナウイルス感染症による日常診療への緊急アンケート」をまとめ、県庁で記者会見を開いた。
 会見では、宇佐美宏・野崎泰夫両副会長、黒木春郎理事(政策調査副部長)、事務局が医療機関の現状や結果の概要、考察を報告。また、安倍晋三首相、加藤勝信厚労相宛に「前年度の診療報酬支払額に基づく概算要求を認めることを求めます」と要望書を提出したことも紹介。当日は、読売、千葉日報、朝日、日経各新聞社、NHKが出席した。

 2ヵ月の調査では、3月診療分の外来患者数を昨年同月期と比較して「減った」と回答したのは、1023件(79・1%)であったが、4月診療分では「減った」と回答したのは、920件(93・0%)にのぼった。減った減少幅を特徴として、「3月、4月の外来患者数の減少に比例して診療報酬も激減した。社会的インフラとしての医療機関が診療行為を続けるための総合的な施策(例えば、固定資産税の減免等や家賃補助)が求められる。マスク、グローブ、ガウン、アルコール、フェイスシールド等が全く足りない、などPPE(防護服)の不足により医療機関が患者応需体制を続けることが困難な状況とする意見もあった。医療機関の自助努力だけでなく医療物資の円滑な提供への国や県への積極的な支援政策を求めたい」と訴えた。

子どもの予防接種時期の遅れ、むし歯増に懸念
 黒木理事は、調査から小児科が前年同月比で3月、4月とも外来患者数が9割以上減少したことに触れ「減ってしまった理由として、ひとつは自粛生活で急性の感染症が減ったのではないか、という考察があるが、ではそれだけでここまで減らない」と指摘。
 国立成育医療研究センターが行ったアンケート結果を示し、予防接種を含む予定受診・健診で31%、予定外の受診で46%が過去1ヶ月で受診を控えたと回答。こどもへの心の影響調査で「コロナのことを考えるとイヤだ」が最も多い39%、感染を恐れ保護者の受診控えにつながったのではないか」と解説。「本来受けるべき予防接種のスケジュールの時期に接種できていないことが小児医療の課題です」と強調した。
 宇佐美副会長は、「厚労省が4月6日に発出した「緊急性がないと考えられる治療は延期することなども考慮すること」とする事務連絡を紹介し、歯科医師に診療自粛を促したことや歯科は感染リスクが高いと必要以上に恐れられて受診控えなった影響が大きい」と指摘。また、学校が休校し自宅待機中に治療ができなかった弊害で「子どものむし歯が増えているのではないか」と述べ、学校検診が秋口に先送りされるようだが、今後調査し、結果を公表したい」と話した。
 さらに、医療機関への経済対策として、医療機関経営を持続可能なものとするため、新型コロナウイルス感染症拡大が収束するまでの間、大規模災害時同様、前年度の診療報酬支払額に基づく「概算請求」を認めるよう強く要望した。
 質疑では、記者から「医療資材の不足について改善していているのでしょうか」と質問に対し、マスクの供給は追いついてきたが、現在は医療用アルコールの不足で医療機関は大変困っている現状を報告した。
 ※「日常診療への緊急アンケート」のまとめは、次号掲載予定。


▲会員アンケートを分析した結果、医科、歯科の医療機関現状を記者会見で報告した。左から野崎副会長、宇佐美副会長、黒木理事=5月28日・千葉県庁