千葉県保険医新聞2021年6月10日号(第733号)

岡部信彦氏が講演 HPV・SARS-2ワクチン
 有害事象、対処方法を解説

 協会りぼんの会は5月15日、協会会議室で「HPVワクチンとSARS-CoV-2ワクチン~有害事象をどうとらえるか、どう対処したらいいか~」をテーマに学習会を開いた。川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦氏を講師に迎え、Web視聴を含む68人が参加した。
 協会ホームページでは、学習会の動画を見ることができる。ご参照いただきたい。

リスクコミュニケーションを重視

 岡部氏は、ワクチンは感染症の予防に必須のものだが、残念ながら有害現象の発生はつきものであり、その中にはまれながら副反応も含まれることがあるとして、事例を報告。HPVワクチン接種をはじめ予防接種に共通して「病気を防ぐ利益と副反応・有害事象の存在のバランスを常に科学的・社会的に考えながらすすめ、適切に説明をし、意見を聞く。リスクコミュニケーションが大切である」とした。
 WHOは、ワクチンを接種することによるストレスが多彩な症状を生ずることがあることを重視、「ワクチン接種によるストレスに関連した一連の反応(Immunization Stress-Related Response ISSR)」という概念を提唱したことに触れ「予防接種を実施する際にISSRを念頭に置いた心構えを持ち、その予防に重要なポイント、発生時の対応、リスクのある人への対処法について解説した。

焦らない、慌てない、数を競わない

 新型コロナウイルスについては、5月12日現在、新型コロナ感染症が世界で1・6億人発症、死亡者332万人に達している。2009年の新型インフルエンザは、世界で感染例7~14億人、死亡者15万~57万5千人であるなど、主な感染症のインパクトを紹介した。
 日本もワクチン接種が始まり、今後は定期的に必要量が供給される見込みである状況を報告。そのうえで、「ワクチンの安全性を高めるためには、焦らない、慌てない、数を競わない、ことが大切」と指摘した。
 最後に、昨年の死亡人数が前年より減少、特に肺炎の死亡者が減り、これは外出自粛によると考えられること、一方、自殺者は増加、女性や若年層の増加が目立ち、生活環境の変化が影響した恐れがあるとして、「差別・偏見・誹謗・中傷がそれを増強する。人のやさしさ、人への思いやりが大切だ」とまとめた。


▲有害事象の原因と定義(WHOマニュアルから)