千葉県保険医新聞2021年8月10日号(第737号)

保団連夏季セミナー政治迷走、その背景は
「新自由主義と決別するとき」
 
 保団連は、7月3日、4日の2日にわたり、都市センターホテルで第50回保団連夏季セミナーを開いた。当日は全国からWeb参加も含めて400人以上が参加した。協会からは宇佐美宏、武田浩一、野崎泰夫各副会長、石毛清雄、中村誠二両理事と事務局が参加した。
 初日には、ジャーナリストの青木理氏が「コロナ危機が拓く未来―新自由主義と決別するとき」と題し、記念講演を行った。
 以下、参加した武田浩一副会長の寄稿である。
 コロナ危機から見える政治の迷走の背景に何があるのか?
 統治機構としての官僚システムが壊されてしまった結果である。長期自民党政権時代から官僚機構の弊害が問われてきた。政治主導による政策、政治を目的に内閣人事局が作られた。これは、上記の目的を達成するため、ある意味有意義だが、官僚の人事権を行使する、いわば権力をふるうわけなので絶大な影響力を及ぼす。それを安倍政権や菅政権は悪用し官僚を意のままに掌握し、知性のかけらもない政治になってしまっている。
 官僚は、各分野の専門家たちであり、政治におけるシンクタンクである。官僚は情報をすべて政治家側に提供する。それを基に政治家は判断を下して、政治活動を執り行い、結果については全責任を負うという形が通常、世界的な標準的合理的手順だが、安倍、菅政権にはこの手順が全く無い。
 従来の政権は、権力行使には慎重であった。森友学園、加計学園などの問題で、当時の安倍総理大臣の虚偽発言により 公文書の廃棄や改ざん、虚偽答弁等が引き起こされた。メディアも官邸側からの圧力がかかった結果、真実を伝える事が出来なくなった。従来、官僚主導と言っていた時代でも、ここまで圧力をかける政権も無く、メディアも真実を伝える強い姿勢があったが、現在はほぼ皆無。法制局(検事総長任命問題)や日銀総裁NHK局長、日本学術会議等の人事に介入した。権力行使の監視、監督の役目もある警察権力でさえ、今の自民党政権に忖度している部分がある。
 青木氏は、これらを変革するには、政権交代が必要で、支持基盤が強いわけではないので、代わりの受け皿さえ出来れば可能であると話した。講演を聞いて、正しい情報を広げていかなければと痛感した。