千葉県保険医新聞2021年9月25日号(第739号)

金パラ「逆ザヤ」
3ヵ月毎価格見直し、タイムラグ短縮を

  7月の中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会は、歯科用貴金属価格の随時改定Ⅰの実施を承認。歯科鋳造用金銀パラジウム合金(以下、金パラ)の告示価格が1g・2668円(30g・8万40円)から1g・2951円(30g・8万8530円)に10月1日から引き上げられることになったが、依然として逆ザヤが続き累積赤字の解消には程遠い。左参照。
 協会・保団連は9月16日、参議院議員会館会議室で厚労省と懇談。同省保険局の宮原勇治歯科医療管理官、医政局経済課医療機器政策室の大久保圭祐室長補佐、佐久間千咲材料価格係長と歯科鋳造用金銀パラジウム合金(以下、金パラ)の逆ザヤ問題で議論した。
 懇談は小西洋之参議院議員の尽力で実現し、今回で通算10回目となる。保団連からは宇佐美宏、田辺隆両副会長、協会からは石毛清雄理事、事務局らが参加した。

 協会・保団連の運動をはじめ歯科医療関係者の声におされ、逆ザヤ問題は令和4年度診療報酬改定の議論のテーマの一つになっている。
 しかし、中医協における厚労省の報告は市場実勢価格と告示価格の乖離についてまったく言及しておらず、解決の方向性どころか課題さえ明確にしていないと指摘。加えて、変動率が一定以上でなければ改定されないこと、価格参照・価格決定・改定実施の長期のタイムラグが問題であり、次期改定に向けた当面の改善策として具体的なデータを示し「3ヵ月毎の価格の見直し」と「タイムラグの短縮」を求めた。
 これに対し、宮原氏は中医協の場でも同様の意見が出されているとし、「素材価格が変動することで逆ザヤが生じているのは把握している。何らかの見直しは必要だと認識しているのでいろんな意見を集約し整理していきたい」と述べた。
 最後に田辺副会長は「逆ザヤ問題で、歯科医院は大きな赤字を避けるために金属の使用を控えるようになっている。ブリッジではなく義歯を入れざるを得ない患者さんが増えた。一番困るのは患者。そういった状況も理解してもらいたい」、宇佐美副会長は「歯科の経営は逼迫している。その重みを受け止めて中医協に臨んでもらいたい」と締めくくった。

会員5割目標『要請署名』にご協力を 
 懇談後、保団連が提起し、協会が取り組んでいる「次期改定に向けて、金パラ『逆ザヤ』の抜本的な解消を求める要請署名」を手渡した。
 署名は抜本的な制度改善を求め、逆ザヤが生じることのない制度を実現させるために、現場の実態や要求を国にしっかりと示していくために取り組んでいるもの。5割を目標に取り組んでおり、9月17日現在で227筆集まっている。逆ザヤ問題を解決し、制度改善は歯科医療関係者の総意であることを示すためにも、多くの会員に引き続きご協力いただきたい。

2020年4月改定以降の「逆ザヤ」の実態