千葉県保険医新聞2022年2月10日号(第747号)

政策学習会
コロナ禍の医療提供体制 オンライン診療の役割とは

  政策調査部は、12月20日、協会会議室(Web併用)で「新型コロナ感染症対策におけるオンライン診療の役割~開業医の日常診療での対応(『いすみモデル』)の経験から」と題し、政策学習会を開いた。この学習会は、新型コロナウイルス感染症拡大(第6波)に備え、これまでのコロナ対策を総括するとともに、コロナ禍における医療提供体制について共に考える機会とした。講師は、医療法人社団嗣業の会外房こどもクリニック理事長、協会理事の黒木春郎氏が、司会は武田浩一協会副会長が務めた。当日は会場とWebあわせて全国から36人が参加した。
 黒木氏は、はじめに、新型コロナウイルス感染症のデルタ株流行・拡大(第5波)時の千葉県の病床使用率等のデータを示し、「『病床逼迫』、『自宅・施設待機者の死亡が相次ぐ』という事態は、これまでの日本の地域医療にはなかったことではないか。次に進むためにも日本におけるデルタ株対応の総括が必要だ」と話した。
 これまでのコロナ対策を振り返り、『いすみモデル』にも触れながら、新型コロナウイルス感染症は、限定した医療機関のみで対応するのではなく、日常診療の中で診るべき疾患であるということを再確認した上で、災害医療としての考えの下、地域の中での対策を講ずることが必要であると総括した。加えて、地域医療でなすべき感染症の早期治療、重症化予防のため、オンライン診療を基盤とした医療と行政の新たな地域医療体制(図参照)を提案し、コロナ対策としてオンライン診療を普及する体制が必要だと訴えた。

外来の補完・代替ではない
 
 学習会では、オンライン診療に関する基本理念3点(①医療の質の向上、②アクセスビリティの改善、③患者参加)を示し、診療の様子の動画も紹介。オンライン診療の優位点や限界、課題なども詳しく説明した。
 また、オンライン診療の普及には様々な意見があるが、「オンライン診療は外来診療の補完、代替ではない」とし、新たな診療形態として捉え、「オンライン診療だからこそできることを追及することが肝要だ」と話した。
 講演後、質問や意見が複数寄せられ、コロナ禍における医療提供体制について参加者とともに考える機会となった。