千葉県保険医新聞2022年3月25日号(第750号)

多職種でチーム作り「認知症のリアル」に対応
 医科学術研究会開く

 研究部医科分科会は2月12日、さくらホームクリニック(佐倉市)副院長の近藤靖子氏を講師に迎え、「認知症のリアル」をテーマに、医科学術研究会を開いた。医師、歯科医師、医療従事者、介護事業所スタッフ45人(Web併用)が参加した。
 以下は、近藤精二研究部担当理事がまとめた講演内容の要約である。

 講師の近藤靖子氏は、これまで10年以上にわたって高齢者医療に従事し、さまざまな生活環境の認知症患者を診察してきた豊富な経験があり、佐倉市最初の認知症サポート医として地域包括支援センターの介護担当者とも定期的に交流を続けている。そうした実績を基に自身の主張をブログで発表し、昨年にはそれを「認知症のリアル」という題名で幻冬舎から書籍を出版された。今回の講演は、この本の内容に即して発表された。
 講演内容は、①認知症の基礎知識、②認知症の症状と進み方、③在宅患者の実例と対応が困難な場合の対処法、④家族(次世代)へのアドバイス、⑤「認知症のリアル」エッセイ集よりトピックス、となっていた。
 認知症診察医にとって必要不可欠な「長谷川式認知症スケール」の考案者である長谷川和夫先生が自ら認知症であることを公表し、昨年に亡くなられたことから講演はスタートした。イギリスのサッチャー首相、アメリカのレーガン大統領などの著名人も認知症で亡くなられており、認知症という言葉は今や世間に広く浸透している。
 Web視聴者は認知症の基礎を学びながら、紹介された一枚のスライド「アンメットメディカルニーズ」で、治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズの中で、アルツハイマー型認知症は治療満足度も薬剤貢献度も最も低いことが知らされる。実際に自分の親や配偶者が認知症になりそのケアをすることになると、思った通りには進まずストレスが溜まる毎日となってしまう。だからこそ多職種でチームを作り、介護や対応の工夫がより重要と近藤氏は強く提案された。
 近藤氏が認知症患者のリアルと毎日向き合いながら、様々な問題に対して日々奮闘して蓄積されてきた多くの役立つアドバイスが紹介された。


▲認知症サポート医の診療経験から『認知症のリアル』を上梓し、講師を務めた近藤靖子氏=2月12日