iPS細胞の最新情報の解説を行った=5月30日・協会会議室【医科 学術 研究会】
ヒトiPS細胞を活用した 治療法の開発
東京大学再生医学分野谷口教授
協会は5月30日、「ヒトiPS細胞を活用した新規治療法の開発」をテーマに医科学術研究会を開催し29人がWeb参加した。講師は、消化器外科・臓器移植を専門とする東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター長・再生医学分野教授の谷口英樹氏がつとめた。以下近藤精二研究部長がまとめた要約である。
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重症肝不全に対する治療法は、現在人工肝は存在せず肝移植のみである。
一方、すべての臓器移植における一番の問題は、臓器移植待機人数と臓器移植件数が大きく乖離していく傾向にあることである。このことが2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学医学部教授の山中伸弥氏が樹立したiPS細胞(多能性幹細胞)を利用した、新しいヒト臓器・肝臓の創出に向かうことになった。先ず、iPS細胞を用いて肝細胞を作成することに成功し、現在は臓器作成工程の中間体である組織構造を持つオルガノイドの研究中である。
iPSC肝臓オルガノイドをマウスに移植した研究は世界中で高く評価され、科学雑誌Scienceで2013年ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。将来の臨床応用に向けて、谷口氏は大量製造法の開発、GCTPに準拠した製造工程の構築、移植操作技術の確立を挙げた。さらに微小重力環境を活用したヒト臓器製造への展望も語られた。
最近、iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療が保険適用になったとのニュースがあった。薬価が5530万円と巨額だが、患者負担は高額療養費制度で大幅に軽減されるとのこと。私どもが外来診療や訪問診療で診ている患者さんやご家族の中にもこの画期的な治療法に大変興味を持っている。いつの日か患者さん自身のiPS細胞を使った免疫抑制剤不要の治療が確立されるのが待ち遠しい。
【医療用材】
グローブ不足・県へ再要請 価格高騰へ公的支援を
県にグローブをはじめとした資材不足を訴える石毛理事
6月16日、協会は千葉県庁南庁舎で、熊谷俊人知事へ「原油不足に伴う医療用資材の不足に対し、患者の命、地域医療を守るための再度・緊急対応を求める」要望書を提出、担当課と懇談した。協会から、石毛清雄理事、吉川恵子事務局長、事務局が、県からは薬務課の課長谷川貴志課長、他4名が出席した。
安定供給向け提言
協会は、3月30日にも県へ緊急対応を要請したところであるが、2カ月経過するも、一向に不足が改善せず医療現場に未だに影響が出ている。国は5月中旬よりG・MISを用いて備蓄グローブの有償配布を開始したが、手元に届くまでに時間を要する状況である。
協会は、県の現状把握や医療用グローブの備蓄量、緊急放出の検討結果を質問した。同席した石毛理事は、歯科医療では、歯科診療報酬が低く抑えられ続けたこともあり、歯科医師はインターネットなどでより安価なグローブを注文しており、小規模診療所ほど入手困難となっている。
また、吉川事務局長は、ある歯科会員の所は3月時点では医療用グローブ(ニトリルゴム製)は1枚4円弱だったが、6月には9円に値上がりしている。2日間で100枚ほど消費しているそうで、入荷未定のものが多く、手に入れようと思えばできるが、高騰して困っているとの相談があった。ナフサ供給が回復するまで、公的な支援が必要である。加えてコロナ禍に、県と協会が医療資材を連携して会員に届けたように今回も県へ協力する準備があることを述べた。
これに対し薬務課担当者は、国のグローブ備蓄放出スキームを説明。県の備蓄は新型コロナ対応の備蓄水準を満たしておらず、災害用備蓄も現在余剰はないため放出は難しい。また、昨年度から「流通備蓄」を行う仕組みに切り変えている為、期限が迫る資材は抱えないようにしている。と回答した。
協会は、安心安全な医療を提供するため医療用グローブは不可欠な資材である。県として安定供給への対応と追加支援金の継続実施を行い、国へも改善を求める意見を上げてほしいと要請した。



















