国内の糖尿病患者は、予備軍を含めると2,000万人以上とも言われています。
その「6番目の合併症」と言われるのが「歯周病」です。
歯周病と糖尿病・動脈硬化の相関関係に言及した報告も多く出されています。
これらの「生活習慣病」を医科歯科連携して、より効果的な治療を確立し、疾患のリスクを少しでも減らすことにつなげ、共通の患者を担当する医師・歯科医師が連携して治療にあたることを目的に2009年4月から「歯周と全身疾患プロジェクト」が始動しました。
<臨時特設委員会「歯周と全身疾患プロジェクト委員会」発足>
2009年4月、「歯周と全身疾患プロジェクト委員会」が発足しました。
岡山大学と千葉、東京、東京歯科協会の共同研究として、「歯周病治療による動脈硬化指標の改善に関する研究」が開始され、2012年までの3年間、臨床基礎調査が行いました。
調査結果から、歯周病の原因細菌の一つである「ポリフィロモナスジンジバリス菌」に対する血液中の免疫グロブリンG抗体価が高い歯周病患者で、動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いこと突き止め、研究成果は2014年8月に英文歯科学雑誌「Odontology」に掲載されました。
2013年からは第二弾として、「医科歯科での歯周病と糖尿病スクリーニングの実施と有用性評価に関する調査研究」をスタートしました。この研究では、これまであった「歯周病医科歯科連携カード」を改編し、医師、歯科医師、患者の三者が情報を共有し、療養指導を通して健康状態を自覚し、行動変容を促すことで健康状態の改善を図ることを目的に「歯周病糖尿病医科歯科連携手帳」を作成しました。
- ★医科歯科連携の実践研究は、2007年から実施してまいりました。
- 【東京・東京歯科・千葉3協会共催 医科歯科連携シンポジウム】
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以降、毎年開催しています。
- 【市民公開シンポジウム開催】
- 医科歯科連携のキックオフシンポジウムに伴い、市民向けの啓発活動も行いました。
2017年、「糖尿病リスクとしての歯周病健康度評価」と「糖尿病の病状評価」のチェック項目を再編し、千葉協会監修のもと全国版の「歯周病糖尿病医科歯科連携手帳」を保団連が作成しました。
現在、歯周病と糖尿病の医師・歯科医師の全国的な実践連携の一助となっています。ぜひ医療機関での活用をお願いします。
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【訪問診療医療機関リストの公開について】
千葉県保険医協会地域医療部では、訪問診療実施医療機関の実態把握と在宅診療での医科・歯科連携を推進するため、2020年に協会会員を対象に「訪問診療実態調査アンケート」を実施しました。
今回ホームページリニューアルを機に、訪問診療を実施していることを協会ホームページで公開することに同意していただいた医療機関名を掲載させていただきます。
在宅診療での医科・歯科連携への活用や、一般患者さんにおいても訪問診療実施している医療機関を探すなど活用していただければ幸いです。
なお、訪問診療を依頼される場合は必ず医療機関にお問い合わせをお願いします。
<市民への啓発活動もしています>
千葉大学と共同で毎週第3日曜日に高洲第一団地第一集会所にて「健康屋台」を行い、血圧測定や動脈硬化指数測定、歯科医師による歯科相談、口臭測定などを行っています。
また、医科歯科連携をテーマとした市民公開講座の開催、千葉市科学フェスタにも出展しています。
歯周病と糖尿病に関する啓発活動も行っています。ぜひ医療機関でご活用ください。
ポスター
- 〇負のスパイラルを断ち切ろう!
- 〇血糖高めと言われたら…歯科医院へ行こう!
<専門医が分かりやすく説明しています>
- 歯周病と糖尿病の関係~負のスパイラルを断ち切ろう~
- 糖尿病を患う方は歯周病にかかりやすく、重症化しやすいことが分かってきました。一方、歯周病になると、インスリンの働きが悪くなり、糖尿病の治療が難しくなります。
その「負の関係性」について、専門医の先生に分かりやすく解説いただきましたので是非ご覧ください。
[お答えいただいた先生]
栗林 伸一 先生(三咲内科クリニック院長・糖尿病専門医)
三辺 正人 先生(神奈川歯科大学教授・歯周病専門医)