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2020年12月10日号(第723号)村中璃子氏と熊谷俊人千葉市長が対談記事一覧に戻る

▲科学者・行政責任者の立場からリスクコミュニケーションについて対談する村中璃子氏(左)、熊谷俊人千葉市長(右)= 11月17日・千葉市生涯学習センターホール

感染症の問題に迫る

協会は11月17日、千葉市生涯学習センターで、第28回りぼんの会研修会として、村中璃子氏(医師・ジャーナリスト)の講演会を「守れる命を守る会」(代表:石渡勇氏・日本産婦人科医会副会長)と共催した。講演後には、熊谷俊人千葉市長と村中氏が対談。当日は35人(Web参加21人含む)が参加した。
 細山公子副会長の挨拶の後、村中氏は「パンデミックとワクチンから見たリスクコミュニケーション」と題し講演。まず感染症学の歴史に触れた上で、「その成り立ち自体が反発を生む構造を孕んでおり、感染症の問題は政治化しやすい」と強調。また、「炎上」ポイントはそれぞれの社会によって異なるとし、各国のワクチン問題の違いを例に、社会の弱い部分・闇の部分のはけ口となって表面化しやすいという見方を示した。

危機への情報提供のあり方

新型コロナウイルスパンデミックにおける日本、欧米諸国、WHOの対応を比較しながら解説。リスクコミュニケーションの例としてドイツのメルケル首相がロックダウンの最中に行った演説を取り上げ、「この演説の優れていた点は、個人の自由権の侵害ともとられかねない施策について、民主主義の重要性を強調するとともに、国民の目線で丁寧に説明し理解を求めたこと」と評価した。
 国の安全を脅かす危機が起きた時に、国民にどのような情報提供・協力の要請を行うべきかについては、リスクコミュニケーションの種類を3つに分離し解説。「市民と専門家の間の認識の乖離を埋め、一部の意見が暴走し本来とるべき策が損なわれてしわないためには、優れたリスクコミュニケーターの存在と、合意形成のための技術が非常に重要」と結んだ。
 講演後、熊谷市長と村中氏が対談。政策決定における科学的目線や総括の重要性、メディアにおける両論併記と速報性の弊害、一部の極端な意見を「民意」として暴走させないための科学と政策の連携など、多岐にわたり意見交換した。

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