2024 年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受
賞されました。私たち千葉県保険医協会は、「核戦争の防止と核兵器廃絶が現代
に生きる医師の社会的責任」として、 署名や講演会の取り組みを行ってきた団体
として、心よりお祝いを申し上げます。
ノーベル賞委員会は、その授賞理由を、「核兵器のない世界を実現するための
努力と、核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきた
こと」を評価し、そうした活動を通じて「核兵器の使用は道徳的に容認できない
という強力な国際規範」=「核のタブー」の形成に貢献してきたことを挙げてい
ます。
また、被爆者の方々が、「筆舌に尽くしがたいものを描写し、考えられないこ
とを考え、理解を超えた苦痛を何とか理解する手助け」し、「肉体的な苦しみと
悲痛な記憶にもかかわらず、自らの経験を平和への希望と約束を育むために用
いることを選んだ」として、その証言活動を高く評価しています。
私たちもこの崇高な授賞理由を心にしっかりと刻み、この国際規範の一層の
形成に寄与したいと思います。
受賞の瞬間に、広島の会見場には被団協 ・ 箕牧代表委員と高校生平和大使のみ
なさんが同席していました。被爆者の方々の「証言」と「経験」がおそらく引き
継がれているのでしょう。 その広がりはまだ、 わずかなものかもしれませんが、
確実に新たな世代に、メッセージとして受け継がれていくことと思います。
「核のタブーは人類にとっての平和な未来の前提条件」とノーベル賞委員会
は明言しました。今回の被団協の平和賞受賞が、この「平和な未来の前提条件」
の拡大を大きく促すことを期待したいと思います。