
【医院経営と 地域医療を守る】診療報酬の大幅引上げ
物価高騰に対応した財政支援を
数年来続く光熱水費、食材料費等の諸物価高騰は、医療機関の経営や診療機能の維持に大きな影響を及ぼしている。医療費抑制策による診療報酬実質マイナス改定が続くなか、医療機関の経営原資となる診療報酬は公定価格のため、他の事業者と異なり価格転嫁ができないという、特有の事情を考慮した支援施策が必要である。
さらに、コロナ禍に起こった患者受診控えによる収入減、コロナ後も続く患者数減少や院内感染防止対策を徹底するための事業支出は変わらない。加えて、社会全体として従業員の「賃上げ」が進んでおり、医療機関でも賃上げを行わなければ、従業員確保が難しい状況であり、できない場合、診療時間の縮小や廃院を考えざるを得ない。
協会は1月、熊谷俊人県知事へ国の「重点支援地方交付金」を活用し、病院・診療所の別、医科・歯科の別、個人・法人の別を問わず医療機関支援を25年度予算で実施するよう要望書を提出した。また、保団連は2月、物価高騰に関する医療機関の影響調査を実施し、4658件の回答をまとめた。
調査では、診療報酬改定後、収入が「下がった」65.5%、人件費が診療報酬改定で「補填できていない」90・3%、等医療機関の逼迫した経営状況が明らかとなった(グラフを参照)。
- 栗林伸一氏
- 山本龍生氏
会員FAX署名スタート
要 請 項 目
一 物価高騰や人件費の引き上げに対応するため、早急に診療報酬の期中改定を実施すること
一 骨 太 方 針 な ど 政 府 計 画 に お いて、診療報酬を大幅に引き上げることを盛り込むこと
一 骨太方針において、OTC類似薬の保険外しなど保険診療の給付内容の制をしないこと
一 すべての医療機関に対する緊急財政措置を行い、十分な補助を、簡易な手続きで受けられるようにすること
このように医療機関の経営基盤は脆弱であり、地域の医療機関の日常診療が立ち行かなくなれば、患者や地域住民への医療提供、健康増進の確保にも影響が及ぶことは必定だ。
協会は、医療機関経営と地域医療を守るため、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、衆参国会議員に宛て、「医療機関への財政措置、診療報酬の期中改定、次回改定の大幅引上げを求める緊急要請書」を会員FAX署名を行うこととした。
要請は、①早急な診療報酬期中改定を実施すること、②次期診療報酬を大幅に引き上げること、③政府の「骨太方針」でOTC類似薬の保険外し等保険診療の給付内容を制約しないこと、④すべての医療機関を対象に緊急の財政措置を講ずること、の4項目だ。
会員FAX署名を24日に送信したところ、多くのご協力をいただいている。これからの会員は、ぜひ趣旨に賛同のうえ、ご協力をお願いしたい。
意見欄(一言欄)へ、多くの記入をいただいた。
本紙では一部を掲載する(上参照)。一言欄のご要望等は、国会要請、署名提出行動を通して、国や国会へ広く開業医の声、医療機関の現状を伝えていく。
会員FAX署名
一言欄に寄せられた「声」














【歯科】6月随時改訂による金属価格等 改訂点数表
2025 年6月に歯科用貴金属価格の随時改定が実施されます。6月1日からの金パラの告示価格は、1グラム3,299円となります。網掛け部分が、随時改訂で変更される点数です。