1月30日、東京・麹町・都市センターホテルで20~21年度第1回保団連代議員会が開催された。新型コロナウイルス感染症の蔓延により昨年6月の代議員会が中止となり、今回も緊急事態宣言中のため開催が危ぶまれたが、会場と各協会事務局をWebでつなぎ、採決もWeb上のフォーマットを用いて行われた。当日は全国の協会・医会から代議員・理事会構成役員・事務局など、307人が参加した。千葉協会からは野崎泰夫副会長、細山公子副会長、中村誠二理事、事務局が参加した。
議事は第1回代議員会への会務報告、2019年度決算および監査報告、2021年度予算、加盟団体表彰などが提案され、全て承認された。
討論では157題の口頭および文書発言が行われた。千葉協会からは「中央組織としてコロナ禍など緊急事態への会員対策の強化を求める~マスク不足等の医療資材確保の経験から」、「風しん排除をめざし、定期健診時のクーポン活用の宣伝強化を」、「HPVワクチンの普及と副反応への寄り添い~地に足をつけた地道な運動を」等、11題の発言を行った。
活動を評価も役割 認識に相違
医療資材確保について保団連執行部は「千葉協会の活動を大いに評価する」と答弁したものの、「コロナ禍におけるマスク・アルコール不足のように多くの会員が診療困難な事態に陥った際に中央組織としての役割を発揮してもらいたい」という千葉協会の発言に対し、「行政の役割」との認識を示した。
風しん対策強化 厚労省へ働きかけへ
「風しん排除に向けた定期健診時のクーポン活用の宣伝強化」については、「抗体検査前提のため検査・接種が進んでいない」という認識を示し、「国民の感染症やワクチンへの意識が高まっている今こそ、風しんなどの感染症対策にも目を向けてもらう絶好の機会。接種環境の整備や手続きの簡素化など厚労省に働きかけていく」と答弁した。
HPVワクチン 学習・議論を加速
「HPVワクチンの普及と副反応への寄り添い」については、2019年の地域医療活動交流集会でのシンポジウム開催や、部会での論議など継続的に学習や議論を行ってきた経過が報告され、「接種後の有害事象で苦しむ人に対する補償と専門医によるフォロー体制は、安心して接種できる環境づくりに重要。今後も地域医療部で学習と議論をすすめる」との答弁があった。
最後にすべての医療機関の経営逼迫に対する減収補填や、感染拡大防止や診療体制確保に向けた診療報酬の引き上げおよび補助金の拡充などを求める「コロナ禍から国民の命・健康を守る決議」を採択し、閉会した。