千葉県保険医協会

千葉県保険医新聞

2024年10月1日号(803号)生活習慣病管理料減少に関する記事、薬剤不足アンケート、保険部だより記事一覧に戻る

【生活習慣病管理料】過半数が減収〜3疾患外しの影響は

協会は9月に「生活習慣病管理料算定による医 療機関の緊急影響調査」のアンケート調査をF AXで実施。24年度診療報酬改定で、高血圧・糖 尿病・脂質異常症の3疾患が「特定疾患療養管理 料」から「生活習慣病管理料」への算定変更を余儀 なくされ、療養計画書作成や説明、患者同意を得ることの煩雑さなど医療 現場の負担が増加し、かつ医療機関の減収の問題 が指摘されている。これらの実態を明らかにする ため、会員医療機関を対象とした調査を行った。調査は、1,643件に 調査票を送付し125件 から回答があった。改定前に特 定疾患療養管理料を算定 していた医療機関は94件(75・2%)あり、そのうち改定後に生活習慣病管 理料(Ⅱ)を算定した医療 機関は75件(60%)、生活 習慣病管理料(Ⅰ)を算定 した医療機関は11件(8・8%)だった。生活習慣病 管理料をしない医療機関 も13件(10・4%)あった。平均診療時間も特定疾 患療養管理料算定時は 「5〜10分」が41%、「5 分未満」が37%、「10〜15 分」分が10%、「15〜20分が1%だったのが、生活習 慣病管理料算定時は「5 〜10分」が38%、「10〜15 分」が29%、「15〜20分」 が15%、「5分未満」が11% と診療時間が大きく延び ている。「生活習慣病管 理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算 定」と回答した場合、改定 前後の収支状況は「減収」 が55%、「変動なし」が 39%、「増収」が6%となり、3疾患を診療してい た医療機関の半数以上が 減収となった。同じ疾患 の診療を計画書作成や同 意取り付けなど手間が大 きく増えたのに減収にな ると不合理極まりない結 果となった。 協会は今後診療報酬の 期中改定や不合理是正を政府に求めていく。

【歯科の現状は】薬剤不足アンケート〜一刻も早い安定供給を

歯科薬剤不足に 関する調査概要
  • 調査期間: 24年9月11日〜17日
  • 対象: 千葉県保険医協会 の歯科開業医会員 でFAX送信が可能な方
  • 送信件数:1,460件
  • 回答数:246件 (回答率16.8%)

薬不足が言われ続けている。コロナ禍、インフルエンザの流行による解熱 鎮痛薬や鎮咳薬などの需要激増、製薬メーカーの不祥事続発とそれに伴う 変更、②処方日数の変更、③薬の剤形の変更等で状況を乗り切ろうとして 業務停止・生産制限、等が要因とされる。そこで、協会は昨年11月、医科会員 を対象に「解熱鎮痛剤に関するアンケート」を行ったところ、①類似薬への 変更、②処方日数の変更、③薬の剤形の変更等で状況を乗り切ろうとして いる医療現場の現状が明らかとなった。この度、協会は歯科での薬不足の現状を把握するため、「歯科薬剤不足に 関する緊急アンケート」を実施。外科的処置を日常的に行う歯科が薬不足に よる特有の悩みを抱える状況がみえてきた。 本紙では、アンケート調査結果、自由記載欄に寄せられた診療での困りご と、薬剤メーカーや厚労省への要望等、主なご意見を紹介する。

自由記載欄から 主な意見・要望

●抗生剤の不足を感じま す。歯科医院では抜歯や 切開など外科的処置を日 常的に行います。薬の不足は大変な事であり、一般的な治療ができなくなります。国内での安定的な供給ができるように早くしていただきたい。

●以前はスポンゼル、キシロカインが手に入らずにスポンゼル使用を控えてナートする等しました。今はセフカペン、メイアクトがなく、毎週在庫確認したり他の業者さんとの取引を始めたり、メーカーを変更して対応しております。薬価 点数も見合っていない。何とかしてほしい。薬価足は大変な事であり、一般的な治療ができなくなります。国内での安定的 な供給ができるように早 くしていただきたい。

●抗菌薬のサワシリンカ プセルと、止血用のスポンゼルが2年くらい前から入らなく、困っています。早く以前の生産状態に戻ることを願っていま す。

●サワシリンを処方して いるが、薬不足でなかなか納品されず、仕方なく 別の抗生剤で代用するこ とが多々あったが、今現 在ほぼ入ってこず(月に 1箱(100錠)〜2箱。 1種類のみ)全然足りな い状況です。院外処方に 切り替えているが、近くの薬局でも取り扱えなくなるのではと困っています。

●薬価が安すぎます。ロキソニンがお菓子より安いのはおかしいです。これではメーカーが安定供給できないのは当たり前です。※ロキソニン60mg錠=10.1円/錠、うまい棒1本=約30円/本。

●スポンゼル(止血剤)が 入荷しません。業者に注文しても7〜8年後と言 われ、高価な代用品をすすめられます。

●薬の卸しが歯科の新規は受け付けない等の状 態だったりするので、大変困っています。急患の方や夜しか来院できない方などは、処方薬局も閉まっているため、お薬の処方ができず、つらい思いをされています。

10 月から医療 DX 推進体制整備加算が3区分に再編
12月から医療情報取得加算の点数引き下げ、1本化

厚生労働省は 8 月 20 日、医療 DX 推進体制整 備加算の再編(10 月実施)と医療情報取得加算の 点数引き下げ(12 月実施)について告示・通知を 発出しました。以下概要を説明します。

(1)10月1日~ 医療 DX 推進体制整 備加算が3区分に再編

10月1日以降、施設基準にマイナ保険証の利 用率実績等が追加され「加算1」、「加算2」、「加 算3」の3区分に再編されます。なお利用率実績は令和6年10月〜12月と令和7年1月〜で異なります。また、利用率実績はレセプト件数ベースの利用率を用いますが、令和7年1月まではオンライン資格確認件数ベースの利用率を用いる こともできます。令和7年4月以降の利用率実績 は、年末を目処に示される予定です。既に医療DX推進体制整備加算を届出してい る場合は、マイナ保険証の利用率実績等の施設基 準を満たしている場合は届出の出し直しは不要 とされています。

●その他の変更

「加算1」・「加算2」は施設基準に「マイナポー タルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理 に係る相談に応じる体制を有していること」が追 加されています。

(2) 12月1日~ 医療情報取得加算の点数引き下げ、1本化

12月2日より現行の健康保険証の新規発行停 止(予定)を踏まえ、マイナ保険証利用の有無によ る点数の差異を見直すこととされ、点数が引き下げられて1本化されました。

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