原告団・弁護団は裁判意義を訴える=2月 25 日・航空会館(港区新橋)控訴審 第2回口頭弁論〜医療現場の声裁判所へ
マイナ保険証トラブル事象止らず
「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」控訴審の第2回口頭弁論が2月25日、東京高裁大法廷(三木素子裁判長)で開かれた。
原告は前回口頭弁論で提出した憲法学者や法学者の意見、閉院した会員等の意見をまとめた書類に加え、保団連が1月29日付でまとめた「2025年8月1日以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査(最終報告)」をマイナ保険証のトラブル事象に関する主張の補充として書面提出。
さらに、23年2月から25年12月までの新聞全国紙や地方紙の記事や社説、週刊誌の記事を集め、マイナ保険証への一本化は見直すべきとの意見が多数示されているとし、マイナ保険証に関する報道や世論を提出した。
第3回口頭弁論は6月10日に行われ、結審も予想される。原告団に加わった会員には、ぜひ原告席への臨席をお願いしたい。
臨席希望者は協会事務局まで問い合わせいただきたい。原告団・弁護団は航空会館(港区新橋)へ移動し、記者・原告説明会を開いた。千葉からは佐々木修治副会長、石毛清雄、地地主明弘両理事、事務局が出席した。冒頭、開会の挨拶で控訴人のひとりで東京保険医協会の須田昭夫会長は、ランサムウェア攻撃で医療情報システム障害、約1万人の個人情報漏洩被害を受けた都内大学病院の例を挙げ「医療機関は漏洩、ハッキングの危機にさらされている。日本という国は医療データをぞんざいに扱っている。医療情報は他の情報と合わせ一括管理すべきではない」と主張した。
原告弁護団の牧田潤一郎弁護士は「一審では国がいろいろな取り組みを行い、トラブルはいずれ直ると裁判所はあまり重く捉えていなかった。
控訴審ではマイナ保険証に伴うトラブルは制度導入初期に一時的に生じる性質のものではなく、制度ないし仕組みに内在する構造的なトラブルというべきものであることの法的位置づけを明らかにしたとして、保団連トラブル調査、新聞・マスコミ各社の記事・社説等を提出した旨報告した。また原告弁護団長の喜多村洋一弁護士は「司法が適切な判断をくだすべきであり、国会中心主義をきちんと認めさせたい」と裁判意義を加えた。
《2026年度診療報酬改訂情報》新点数解釈通知
厚労省「説明動画」を公開
厚生労働省は3月5日、6月実施薬価は4月実施(公表)の2026年度診療報酬改定について点数や施設基準など正式は告示・通知を発出した。
これに併せ厚労省は「令和8年度診療報酬改定について」のホームページに各テーマの説明資料を掲載したほか、説明動画の公開を開始した。
なお、診療報酬改定時に関東信越厚生局が行う集団指導はこの説明動画を視聴することとされている。
2月に行われた中医協の答申で改定について大まかな概要が示されていたが、詳細な算定要件や施設基準が明らかになった。
ベースアップ評価料は26年3月までに当該評価を届け出を行ってる場合は、6月から継続的に賃上げを実施している医療機関の高い点数が算定できるが、3月までに届け出を行っていなくても、26年度改定以降の対象職員(医師・歯科医師をを除く)の該評価料を合計し、24年3月時点と比較した場合に、5・5%(看護補助者、事務職員については8%)に相当する水準以上のベア等を行った医療機関も対象となることとされた。
その他の点数の詳細な算定要件、施設基準は4月初旬発行予定の改定テキスト(医科「点数表改定のポイント」、歯科「要点と解説」)を参照した上で、協会の新点数説明会に参加されたい。なお今回診療報酬改定で新設・変更された届出が必要な点数を6月1日から算定を行うためには、5月7日から6月1日(必着)までに、関東信越厚生局千葉事務所に届出が必要となるのでご留意ください。
「治療継続が難しくなる」
高額療養費の限度額引上げ、OTC類似薬の追加負担の白紙撤回を
総選挙後に招集された第221回国会(特別会)では2026年度予算案の審議が行われており、高市首相の指示のもと年度内成立に向けて審議時間の短縮が強引に進められている。
しかし、この予算案には社会保障の後退につながる高額養費制度の見直し案が含まれており、保団連が1月に緊急実施した患者影響調査(1701件)や患者団体等が2月19日に厚生労働省へ提出した「負担限度額引き上げ撤回を求める署名(25万筆)になる「治療継続が難しくなる」といった声が多く寄せられている。
国会では、昨年の予算編成方針の段階から高額療養費制度の見直し撤回を政府に要請し、国民的な運動により一旦凍結となったものの、今回の見直し案においては、70歳未満の現役世代では年収650~770万円の38%となる所得区分例についても所得区分を見直すとともに、70歳以上の外来特例についても年収200~370万円では55%の大幅な負担増となる。
一方で、政府が負担増の理由とする現役世代の保険料軽減の効果は26年度予算で国民1人あたり月49円に過ぎない。
厚労省は、多数回該当の負担額維持や現役世代への年間上限額の新設、年収200万円未満の課税世帯への配慮など「長期療養者・低所得者に十分配慮した見直し」としているが、年1~3回、同制度を利用する患者約660万人(全利用者の約8割)が負担増の対象となる。
負担増による受診抑制を見込んで給付費1070億円を削減する予算措置となっており、まさに重篤な疾患の治療や療養を有する患者の命と健康を引き換えにする制度の見直しとなっている。高額療養費制度は公的医療保険のセーフティネットであり、今回の見直しは到底認められるものではない。政府は26年度予算案を速やかに審議するのではなく、「税の在り方・使い方を抜本的に見直すことを審議し、誰もが安心して社会保障を受けられるよう、必要な財源を支出すべきである。地元国会議員および衆院予算委員、髙市首相、上野厚生労働大臣宛に送付した。
また予算案の衆院採決(3月16日見込み)後には、薬(OTC類似薬)追加負担を具体化する「一部保険外療養の創設」を盛り込んだ健康保険法等改正案が厚生労働委員会で審議入りする見込みで、法案審議についても十分な質疑を行う必要がある。当会では薬の追加負担をやめることを請願署名に取り組んでいる。会員の医療機関での呼びかけをお願いしたい。



















