【声明】
2023年11月27日
千葉県保険医協会
会 長 岡野 久
平和環境対策部長 野崎 泰夫
イスラエルとハマスは即時停戦し、ガザ地区へ人道支援を
10月7日、パレスチナのイスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの大規模な攻撃が始まり、それに対するイスラエルによる報復攻撃によって、地中海東岸のガザ地区では多数の市民に死傷者が出ており、建物などの破壊も著しい状況となっている。ガザ地区最大の病院であるアル・シファ病院では、燃料や物資不足で必要とされる治療を受けられない状況が続いていると伝えられている。国連のグテーレス事務総長は「ガザ地区は子供たちの墓場になりつつある」と表明するなど、その状況は深刻さを増すばかりである。
これまでに、多くの一般市民や子どもたちが犠牲になり、多数の医療機関も攻撃を受け必要とされる医療を提供することができない機能不全に陥っている。軍隊が民間人を殺傷し、医療機関を破壊することは国際人道法上、許されるべきことではない。加えて、多数の人質をとっていることも決して許されることではない。ようやく、11月22日に「戦闘を4日間、一時的に休止」するとの報道がなされたが、まさに”一時的”なものにすぎず、根本的な解決には程遠い状況であることは論を待たない。
イスラエルとハマスの大規模衝突に関して10月27日、国連総会は双方に対し「敵対行為の停止につながる即時かつ持続的な人道的休戦」を求める決議を121ヵ国の賛成多数で採択した。しかし、この決議に対し14ヵ国(イスラエルや米国など)が反対、日本政府は棄権した。不戦の誓いともいうべき日本国憲法第9条を持つ日本政府が棄権したことに、言いようのない怒りを覚えるものである。9条は「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と高らかに謳っている。憲法に9条の条文を有する日本政府は、こうした非人道的な戦闘行為の終結に向けて、国際社会の中で一層の役割を発揮すべきと考えるものである。
私たち医師・歯科医師は、人々の生命と健康を守っていくため、日々診療を行っている。生命と健康が著しく損なわれている現状から一刻も早く脱却するために、全ての戦闘行為を即時停止し、病院などが破壊されているガザ地区に対する人道支援を強力に求めるものである。
以上