2026年4月27日
一般社団法人 千葉県保険医協会
会長 岡野 久/医科保険部長 武田浩一
4月24日、衆議院厚生労働委員会において「健康保険法等の一部を改正する法律案」が採択された。
本法案は28本の法律を束ね11項目の改正内容で構成する一括法案として提出されたもので、主に①OTC類似薬保険給付見直し(一部保険外療養費の創設)②高額療養費制度の考慮事項の見直し③後期高齢者制度における金融所得の勘案④医療機関の業務効率化、勤務環境改善への支援⑤子育て世帯への保険料負担軽減等である。
一つ一つが国民の生活に及ぼす影響が強い重要な法案で、充分な時間をかけて論議すべきであるが僅か22時間ほどで可決するなど、拙速な審議に抗議する。
特に「一部保険外療養費の創設」や「高額療養費の見直し」は重大な影響を及ぼすものである。
OTC類似薬(元々の処方される保険医薬品)の保険給付見直しが目的で創設された一部保険外療養費は、疾病治療に関わる費用給付はすべて健康保険で行うという療養の給付の原則から逸脱している。
これまで保険以外に費用負担が生じるいわゆる混合診療ともいえる「保険外併用療養費」として国は3種類(評価療養、患者申出療養、選定療養)を認めている。
保険外併用療養費は、患者の選択性があることが前提だが一部保険外療養費は、国が一方的に保険外の内容を指定でき、患者に選択の余地がない。
今回の改正で医師が治療に必要として処方した医薬品が保険外になった場合、現状でも負担が重い一部負担金にさらに自己負担が生じ、患者は処方された医薬品の使用を躊躇する可能性を否定できない。
現場では患者の負担増のため適切な医療が提供できず、その結果、病状悪化をもたらし患者の命を危険にさらしかねない。
一部保険外療養費の除外対象も選定するということだが、現場に差別と混乱をもたらし、窓口負担割合も「7割給付を維持する」という2002年健保法付則にも反している。
更にこの手法は医薬品に限らず、療養の給付範囲である「診察、処置・手術、在宅、入院・看護など」他にも拡大する可能性があり、皆保険制度を根底から覆すことになる。
高額療養費制度は難病等長期療養者や突然発症した疾患の高額治療費の患者負担軽減と治療の継続性を担保しているセーフティネットである。
今回の見直しによる患者負担増によって治療を諦めざるを得ない事例が発生することは明らかである。
誰もが安心して医療が受けられる制度を維持するためは、これらの改悪を断固許してはならない。当会は同法案の衆議院厚生労働委員会での可決に抗議し、廃案を求めるものである。
以上



















