千葉県保険医協会

声明・主張・談話

第51回千葉県保険医協会定期総会決議

2022.06.19千葉県保険医協会定期総会

 わが国が新型コロナウイルス感染症のパンデミックに見舞われ、2 年半が経とうとしている。昨年の今頃は感染防止に欠かせないマスクや防護具が枯渇し、多くの開業医は手作りのビニールガウン等で自身を覆い、必死に診察する姿があった。今年に入り、世界的にはワクチン接種が加速度的に進み、新たな局面を迎える中で、わが国のワクチン供給は周回遅れとなり、すべての国民へのワクチン接種が滞り、未だに生活に不安を抱き不自由な生活を強いられながら、新型コロナウイルスと対峙している。

  現在、第7波感染拡大で収束の兆しが見えない中でも、岸田政権は「新自由主義」路線を継続し、経済最優先、医療、社会保障を蔑ろにする政策を踏襲している。「75 歳以上の窓口負担2割化」についても本年10 月実施を強行する予定である。多くの高齢者が感染を恐れ、受診控えや定期的な健診の遅れも増える中で、医療費の負担増により更に受診を手控えることは、一層の健康悪化につながるものである。また地域医療を担う開業医の経営もコロナによる受診抑制により逼迫し、回復の見通しが立たず閉院を決断せざるを得ない状況も散見され、医療機関への経済的な支援は喫緊の課題である。

  更に私たちは命を守り平和を願う医師・歯科医師の団体として、国連「核兵器禁止条約」の発効に賛同し、今後も核兵器廃絶に向けて努力を続けていく所存である。

  我々は第51 回定期総会にあたり、今年度も国民皆保険を守り、すべての国民が尊厳を保って幸せに暮らせる社会の実現を目指し、次の事項に全力で取り組むことを決議する。

一、 10%以上の診療報酬(特に基本診療料)引き上げと不合理是正を行い、同時に介護報酬の引き上げも行うこと

一、 保険でより良い歯科医療を実現するため、歯科医療費の総枠拡大を行い、歯科技工士や歯科衛生士等の歯科医療従事者の待遇改善を図ること

一、 金銀パラジウムの逆ザヤを生まない制度にすること。

一、 安全に医療を提供するため、医療従事者の労働環境の改善を図ること

一、 国庫負担を増やし、過重な保険料負担や窓口一部負担を大幅に軽減し、新たな患者負担増を行わないこと

一、 審査、指導、監査については保険医の人権と裁量権を尊重すること

一、 感染症、災害、救急、周産期、小児、難病、障害者等の行政的医療を維持できなくなる組織改革はやめ、公立、公的病院の拡充等の支援を行うこと

一、 地域環境の変化による新興、再興感染症に対する体制を充実すること

一、 世界標準のワクチンを希望するすべての人たちに、無料で安心して接種できる体制(日本版CDC、ACIP)を構築すること

一、 消費税損税となっている保険医療にゼロ税率を適用すること

一、原発ゼロをめざし、再生可能エネルギー中心の政策に転換すること

一、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約を批准すること

一、憲法9 条、25 条などを有する日本国憲法を遵守すること

2022 年6 月19 日

千葉県保険医協会第51 回定期総会

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