当会は千葉県内開業医保険医医科・歯科会員4230 名で組織している団体で、9 月下旬に一斉に会員を対象にFAX で「オンライン資格確認システムの導入状況」と、既に運用している会員には「システムの現状」を伺うアンケート調査を実施し、471 件回答があった。
オンライン資格確認システム導入の義務化を「撤回」し、療養担当規則改正を調査結果では、マイナンバーカードによるオンライン資格確認システムは58.8 % の会員割が導入していないと回答。実施している医療機関は僅か12.3 % であった。厚労省が掲げた9 月末に全体の5 割の導入を目指す目標にも及んでおらず、2023 年3 月末には9 割超の目標達成は不可能で、来年4 月の「義務化」は撤回し、療養担当規則を改正すべきである。
また、アンケートで導入への懸念を聞いたところ「レセコンや電子力ルテ等の改修で多額の費用がかかる」、「導入補助金が少ない」が62.2 %、「保険証の廃止」59.4 %、「情報漏洩や拡大、セキュリティ対策が不安」が58.0 %、と続き、回答した医療機関の多くは電子媒体 ( 光ディスク) で請求するなど、オンライン化には建物の改修が必要となる事例が多くみられた。一方、オンライン化の体制確保が可能な医療機関であっても、ランサムウェアによる情報漏洩を懸念し、セキュリティ対策が不十分であるため、導入を見合せるところもあった。
システム運用のトラブル検証結果の公表と公聴会等の開催を既に運用を開始している12.3 % の会員に「トラブルの有無」を聞いたところ、約半数 (47.6 % ) の医療機関で機器のトラブルが発生し、医療現場では患者さんの診察に支障を来していると回答。今後、義務化した場合にはトラブルは更に増えることになり、資格確認ができない場合には、患者さんから10 割自己負担を求める事態にもなり、受療権の侵害にもあたる看過できない事態が予測される。まずは、政府は実施している医療機関からエラーやトラブルなど、多くの問題点を集約、検証、解決を図る等、体制整備が前提であると考える。
当会は① 12 月開催の中医協ではシステム運用の検証結果を公表すること、②公聴会の開催やパプリックコメント募集など行うこと、③ 2023 年4 月からのオンライン資格確認システム導入「義務化」を撤回し、療養担当規則を改正すること。④保険証廃止の方針の「撤回」を強く要望する。