内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
厚生労働大臣 加藤 勝信 様
2018年度の予算編成に向け、社会保障を巡る議論が本格的に開始されました。財務省は来年度診療報酬改定について財政制度等審議会(財務省の諮問機関)で「2%台半ば以上のマイナス改定が必要」と主張しました。厚生労働省も概算要求において社会保障費の6,300億円の自然増を見込み、それを5,000億円に圧縮するため1,300億円の削減を検討していました。その削減対象として診療報酬や介護報酬などが上げられています。
高齢化や医療技術の発展に伴い医療費が増えていくことは当然のことです。
診療報酬は2002年以降マイナス改定が続き、この15年間でおよそ10%まで引き下げられました。医療費の抑制・削減の中では、医師歯科医師の技術料はほとんど増えていません。医師歯科医師をはじめとする医療従事者による医療行為を正当に評価するとともに、医療現場の疲弊している経営状況を直視し診療所や病院それぞれの医療施設の経営を支える診療報酬の引き上げを強く求めます。
また、医療・介護における患者窓口負担増の施策がこの間進められてきました。今後はさらに、75歳以上の2割負担、かかりつけ医普及を理由とした受診時定額負担、市販類似薬の給付見直しを含めた薬剤自己負担等の引き上げなどが計画されています。この間、私たちが実施した「2016年受診実態調査」では約4割の医療機関で経済的な理由から患者の治療が中断していることが明らかになりました。広がる所得や健康格差、貧困問題が深刻化する中で自己負担が増えることによって受診を抑制し適切な医療や介護を受けられなくなる患者等は少なくありません。
以上のことから、2018年度診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて、基本診療料を中心とした診療報酬と介護事業所の経営実態と介護職員の待遇改善等のための介護報酬の引き上げと併せて、患者負担の軽減を要望します。