千葉県保険医協会

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第48回千葉県保険医協会総会決議

2019.06.16

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政府の社会保障費抑制策は、地域住民の命と健康を脅かし、構造的な貧困と格差を引き起こしている。経済的理由による受診手控えや治療を中断する人が増え、所得の格差による健康格差が生じている。また、病院の統廃合や医師数の抑制による医療提供体制の縮小なども同時に進められ、今後、「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」を基本とするあらゆる世代への負担増が計画されている。
 しかし、これ以上の患者負担増と社会保障制度改悪によって、医療の公平性が損なわれ、更なる医療崩壊を招くことは明らかである。すべての国民がいつでも、どこでも、だれもが安全に、安心して医療が受けられるよう、憲法25条に基づく、社会保障としての医療政策へ転換すべきである。
 さらに今年10月から消費税増税を行おうとしているが、すでに景気は後退局面に入ったとの指摘もあり、多くの国民は景気回復を実感していない。消費税増税は国民生活を更に冷え込ませ、私たち開業医の経営も悪化させるもので、断じて容認できない。
 政府は社会保障費の増大が国の財政赤字の原因としているが、法人税減税等の税収不足がその大きな要因である。今必要なことは10%への消費増税を中止し、大企業や富裕層に応分の負担を求め、社会保障費を抜本的に増やすことである。
 また、安倍首相は自民党大会で憲法に自衛隊を明記するなどとする憲法9条の改定に強い意欲を示しているが、日本国憲法の平和主義に反するものであり、断固反対する。
 第48回定期総会にあたり、 私たち医師・歯科医師は、すべての国民が健康で幸福な生活を営める社会の実現をめざし、次の事項に全力で取り組むことを決議する。

 

一、診療報酬・介護報酬を引き上げ、不合理の是正を行うこと。
一、安全に医療を提供するため、医療従事者の労働環境の改善を図ること。
一、保険医の人権と裁量権を尊重し、保険診療の制限や萎縮を強いる審査、指導、監査を行わないこと。
一、 国庫負担を増額し、応能原則による負担などによって患者の窓口負担を大幅に軽減し、新たな患者負担増を行わないこと。
一、保険でより良い歯科医療を実現するため、歯科医療費の総枠拡大を行い、歯科技工士や歯科衛生士等の歯科医療従事者の待遇改善を図ること。
一、世界標準のワクチンを希望するすべての人たちに、無料で安心してワクチンが接種できる体制を構築すること。
一、 10月からの消費税率10%への引き上げを中止し、医療にはゼロ税率を適用すること。
一、自然災害で被災したすべての住民や医療機関・介護福祉施設の再建のために、公的支援を拡充すること。
一、 原発再稼働をやめ原発ゼロをめざし、再生可能エネルギー中心の政策に転換すること。
一、憲法9条・25条などの日本国憲法を遵守すること。
一、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約を批准すること。

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