厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
3月5日、2020年診療報酬改定点数および基準材料価格等が告示され、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の告示価格は1g2,083円に決定された。 現告示価格30g50,250円から62,490円と12,240円の引き上げにとどまり、全く「逆ザヤ」を解消できる価格ではない。歯科医院の窮状に目を背け、抜本的な改革を怠ってきた厚労省の不作為に対し、厳重に抗議する。 2018年9月以降、金銀パラジウム合金の市場価格が高騰を続ける中、歯科医院は告示価格を大幅に上回る価格での購入を余儀なくされ、1年半もの間「逆ザヤ」に苦しんできた。 当会の会員から寄せられたアンケートによると、金銀パラジウム合金の購入価格(税込)の平均は2019年9月54,511円(▲10,711円)、10月58,743円(▲8,493円)、11月59,806円(▲9,556円)、12月63,029円(▲12,779円)、2020年1月69,630円(▲19,380円)、2月74,463円(▲24,213円)と急激な価格上昇である。同期間内での購入最高金額は93,170円(2020年2月)で、42,920円もの「逆ザヤ」である。今回の告示価格30g62,490円では逆ザヤを解消するどころか、更に継続して赤字を負わせるものであり、断じて容認できない。 厚生労働省はいつまで歯科医院に困難を強いるつもりなのか。直ちに「逆ザヤ」を解消するよう強く要求する。 また、現行の基準材料価格改定および半年ごとの随時改定の仕組みの下では、歯科医療保険制度が健全に発展していくことはもはや不可能である。「逆ザヤ」を生み、歯科医院を追い詰める制度は徹底的に見直しを行い、抜本的な解決手段を講じること重ねて要求する。