内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。 当会は、県内の医師・歯科医師 4180 人余で構成する開業医保険医の団体で、国民医療の充実をめざし様々な活動を行っております。 日本国内での COVID-19 の感染者が増加しています。千葉県での感染者数は16人(3/3 現在)となっており、感染拡大が懸念され、同時に医療機関への影響も広がりつつあります。 当会の会員からは「感染対策に必要なマスクや消毒用エタノールの供給が滞っている。北海道だけでなく、千葉県の医療機関にも供給してほしい」との声が寄せられています。 先日、日本臨床微生物学会が発出した「新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染(疑いを含む)患者検体の取扱いについて」では医療従事者の個人防具として手袋、サージカルマスク、ゴーグル、アイシールド、ガウンの着用等で感染予防を行うこととし、呼吸器症状を呈する患者にはサージカルマスクを着用させること等、標準予防策の遵守を周知しています。しかし、日常診療において、これら防護具による予防策は限界を迎えており、早急な対策を強く求めます。 また、こういった状況を鑑みれば、先月28日に貴職に要請した「2020 年診療報酬改定」への対応は難しく、4月からの実施は延期すべきです。以下、COVID-19 対策を要望いたします。
記
[要望項目]
① 医療機関や高齢者が多い介護施設に対しては診療に必要なマスクおよび防護具、消毒薬等優先的に供給すること。また万一、休業した場合の所得補償を行うこと。
② 治療薬やワクチンの早期開発に向けて研究開発費等を早急に予算化し実施すること。
③ 2020 年診療報酬改定は市場価格が急騰している材料価格の改定を除き、実施を半年間延期すること。そのうえで、延期した診療報酬改定分は補填をすること。
④ 2020 年 3 月 31 日に到来する施設基準の経過措置期限の延長をすること。
⑤ 感染症危機管理体制の強化、並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる「日本版CDC」を創設すること。
以上